2014年度スマイル・プロジェクト報告
東北地本で2012年度より行っている被災地の小学校へ生の音楽を届ける活動「スマイルプロジェクト」。2014年度は岩手、宮城、福島の沿岸部の小学校20校で開催しました。震災から4年が過ぎましたが長期化する様々な問題を抱える被災地ではこのような活動を続ける団体も減り続けています。特に今年も福島県いわき市から多くの申し込みがあったということが関係があると思います。
私自身も何校かの演奏に関わらせていただきましたがそのいわき市に伺った際、数校の校長先生に「実際のところ、放射能で子どもに健康被害は出ているのか」という質問をしてみました。答えはいまのところない、ということでした。様々な情報が錯綜している中ですが実際に現場で直接そのようなことを聴くことができ、少し安心しました。
また、1月のいわきの際は福島の原発のすぐ近くを通っていわきへ向かいました。
浪江からゴーストタウンが続き、すべての民家や商店の前には柵が、交差点ごとに警官が立っている様子は戦争中ではないかと疑うようなものものしい光景で言葉を失いました。6号線には除染ステーションや作業員の方々の事務所など、もともとはなかった施設もあり、緊張感が漂っています。収束まで先の見えない状態です。少しでも早い収束と避難している方々に明確な今後の方向性の提示が行われることを願っています。
演奏に伺うとどこの学校でもステキな子どもたちの笑顔に会うことができ、演奏する方が逆にパワーをもらうこともしばしばありました。演奏に協力してくれる音楽家の幅も増え、地本の団結を深めるきっかけとなってきています。
スマイルプロジェクトは全国の各地本の皆様や芸団協の支援で実施しています。これまでのご支援に感謝すると同時に、今後のご支援もよろしくお願いいたします。(叶 光徳)
<2014年>
11月7日 宮城県気仙沼市立面瀬小、中井小
叶千春(Vl)、門脇麻美(Pf)
11月13日 福島県相馬市立中村第一小、新地町立新地小
都築紘子(Sop),山形佑輔(Pf)
☆12月5日 福島県相馬市立山上小、大野小
宮地夏海(Fl)、長谷川康(Vl)、針生奏子(Pf)
☆12月16日 岩手県宮古市立田老第一小
戸田博美(Tp)、相澤やよい(Pf)
☆12月17日 宮城県気仙沼市立小泉小
池田緋沙子(Fl)、渡邉千晶(Pf)
<2015年>
☆1月21、22日 福島県いわき市立平四小、大野一小、平五小、平一小
叶光徳(Cl)、塚野淳一(Vc)、山形佑輔(Pf)
☆2月6日 福島県いわき市立小白井小学校
櫻井希(Fl)、叶光徳(Cl)、門脇麻美(Pf)
2月10日 宮城県石巻市立向陽小学校、南三陸町立戸倉小学校
叶千春(Vl)、塚野淳一(Vc)、門脇麻美(Pf)
☆2月17日 福島県いわき市立長倉、中央台北小学校
戸田博美(Tp)、小田嶋麻紀子(Pf)
2月19日 宮城県石巻市立和渕小学校
叶千春(Vl)、叶光徳(Cl)、門脇麻美(Pf)
☆2月24日 福島県いわき市立菊田、久之浜第二小学校
池田緋沙子(Fl)、山形佑輔(Pf)
(☆芸団協(公益社団法人 日本芸能実演家団体協議会)の被災地に文化芸術を届ける事業の支援公演)